2013年11月16日土曜日

臨月


そっと溶け込んで広がる。
寂しさは永遠。 
照らされて消えた傷跡は
今もここに有る。

声を押し殺して
吐き出すまいと
震えながら
涙は心に留めよう
涙は心に留めよう


10月17日  この日、僕の祖母は100歳で出直した。老衰ということでとても穏やかな死であった。
仕事のとても忙しい時期であったけれどなんとか引継ぎをして山形へ。
ちょうど僕はこの一ヶ月前の9月の初めに祖母に会ったときのことを思い出していた。眠る時が増えていたけどとても元気だったっけ。僕は中学を出てから関西に来たからそれからはあまり顔を見れなくなってしまっていたけど、いつも優しくて、微笑んでくれて、真っ直ぐな芯のある人だった。

出直したと聞いた時、僕は僕を殺す世界への曲、臨月を祖母に向けて奈良から歌っていた。気持ちよくいけるように。また生まれ変われるように。願うなら僕の子供として生まれてくるように。
亡くなるその二日前から無呼吸状態になる時があると連絡を受けていたから、覚悟はしていた。最も100歳の長寿でかつ病気一つなく老衰なので僕としてはとても誇らしかった。本当に穏やかな死。大往生だった。

祖母に捧げた歌。臨月は、より僕の中で特別な曲になった。送り出す歌であり、迎える歌。生と死の繰り返しの中で。魂と心を運ぶ歌。

僕は死んでもこの歌を歌っていたい。

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